いつもは「これでもかこのやろー」ってくらいけたたましく鳴りやがる目覚まし時計がご臨終していた。
目を覚ましてくれるはずだった1時間前だった。ちくしょう。
誰にでもある日常
だもんだから、目を覚ましたのは普段より遅い時間だったわけ。・・・1時間くらい。
起きなかった私が一番悪いんだけどさ、起こしてくれない家族もどうかと思う。
もう制服着てればいいやってことで、なりふり構わず急いで着替えて1階に下りたら、お母さんは普通にテレビ見ててさ。「あら?まだ居たの?」って。・・・うわん。
寝坊はしても、朝御飯はきちんと食べなさい方針な家だから、しっかり食べさせられました。
そして、その時に飲んだ牛乳にあたりました。やったね☆
いや、うん。「あたった」って言っても軽めだったからね、トイレで1時間位立て篭もりしてたら回復したから大丈夫だよ。脂汗やばかったけどね。
そんで、落ち着いたから登校したんだけどさ、もうこの時点で2時間も遅れてるわけじゃん?時計を見たら2時限目真っ最中な頃。
普通ならここで「さぼっちゃおっかなぁ・・・」とか思うでしょ!?でも、私、そうしなかった!!えらい!!!
そんな心境はいいとして、遅刻は遅刻。・・・・今日、この日を以て皆勤賞を逃したという事に、閉ざされた校門を見て気付いたのよ。鬱だわ。
校門は閉まってるし、裏門に回るのも面倒臭いからさ、門をよじ登ったのよ。ほら、あれって以外に低めだから私でもイケル!と思ったわけよ。結果、見事に着地を失敗してこんな無残な姿になったけどね。
ズベッといって、痛みにも、予想を裏切った自分の失敗にも悲しさを覚えつつ、保健室に行こうと頑張って起きた所・・・・・・ゴリに見つかっちゃったのさ。
そうそう、生徒指導のゴリ。しかも何故か竹刀持ってた。今時あんなんいないぜ、的な格好にちょっとウケたんだけどそんな悠長なことも思ってられずに。
だって、めっちゃ怖い表情とスピードでゴリがこっちに向かってきたんだもん!あぁ、今思い出しても恐ろしい。
「こりゃ、つかまったら長々と説教をくらうべ」ってすぐ様判断した結果。逃げました。えぇ、そりゃもう、陸上部も真っ青な見事な走りっぷりで。怪我の痛さなんてスッカリ忘れて。
逃げる先は保健室。当たり前じゃん。痛みは忘れてても、治療すること事態は忘れて無かったよ。珠のお肌に怪我を残しちゃしけないからね!変なテンションになってんな・・・。
保健の先生は私を見た瞬間、悲鳴を上げたよ。さながらホラーだったって。額にほっぺた、ひじ、腕、掌、膝・・・皮がずるむけてたからねぇ。傷は浅い割りに血の量が凄かった。
ま。それで、治療をしてもらったんだけど、膝にちっちゃい石が入っててさ。取り出すのに痛いのなんの!!綿棒でグリグリーって。正直言おう、泣いたわ。
治療が終わった時点で、あらなんと4時限目開始のチャイムが!先生も不憫に思ったのか4時限目はここで休んで良し、とのことなのでベッドでゆっくりしてたの・・・・。でも・・・。
4時限目は英語。そして、今日の英語の授業は、授業始めに小テストを行うと言っていたはず。いや、絶対そうだ!だって昨日頑張って勉強したもの!!
でも、残念。もう授業開始から20分が経過してた。・・・・もうっ!!!
昼休みは、まず職員室行って、担任に遅刻しちまいました報告したんだけど、その時の先生の顔、なんか可哀相な子を見る目で私のこと見てた。分からんでもないけど、あからさますぎだった。
んで、教室行って、これまた満身創痍に驚かれて、ご飯を食べるために飲み物を買いに行ったら、いつも飲んでるやつが売り切れててさ。やるせない。
5時限目は体育で。もう、体中痛いってのに惨い仕打ちだわという授業内容。その名も体力測定。散々な記録ばっかだった。怪我さえしてなけりゃ、もっと良い記録が出せたのに。へこむ。
しかも、補助でゴリがいるし。いつもは私達の担当じゃないのに、この日に限って。どーして他の体育教諭じゃないの?どーしてあえてゴリなの?
案の定、朝の奴だとバレタわよ。まったくもぅ。
6時限目は数学でさ。1日の終わりが一番苦手な教科ってちょっと嫌だよね。途中から雨が降り出すし。降るんなら5時限目から降れっての!なんて怒りつつボーってしてたら、先生に指名されて。しかも応用が複数入った難しい問題。
ちょっ、何故私をあてるかなぁ。こうゆーのはさ、数学の得意な子にさせるべきっしょ!?なんて半ギレで分かるとこまで解いてやったわよ!!出だしから間違えてて意味なかったけど・・・。クラス中に笑われたけど・・・。
ショートホームも終わって「さぁ、帰ろうか。雨脚も弱い今のうちに。」と思ってたら。「掃除代わって」と頼まれるし。どうしても外せない用事があるって言うから代わりましたよ!!
教室掃除なんて、3,4人でチャチャっと済ましちまうに限ると意気込んでたら、何故に私一人?あれ?他の人は?なんで?・・・あれ?これイジメ?
結局最後まで1人で終わらせてさ。やっと帰れる、と靴箱から靴を取り出した瞬間『ドザーーーーーーー』って音がすんの。あっはーーー、ヤナ予感。土砂降りになってしまったんだよね。
朝もあれだけ慌てて出てきたから傘なんて持って来てるわけなし。ちょっと待てば弱まると思って5分待つー、10分待つー・・・・。あんるぇ?さっきより強くなってますけども。前が見えない位なんですけども。・・・まじで!?
そんな土砂降りの中、痛む体に鞭打ってヒィヒィ言いながら帰って来ましたよマイホーム!!
玄関あけて、お出迎えの声を掛けてくれたお姉さま。あのね、それ。うん、今美味しそうに食べてるそのアイス。それ私のなんだぁ・・・。
「以上が玄関入った瞬間泣き崩れた理由よ!!」
「アイス食べられたから泣いたわけじゃなかったのね?よかったぁ」
「馬鹿姉!!!それ込みだよ!!んで、プラスして散々な1日に涙したの!!聞いてた?私の話聞いてた?」
泣き崩れた私に、家に居た家族皆が総出でオロオロ慌てて慰めてくれた。普段、滅多に泣かないからねぇ、そりゃ驚くわ。
ただワンワン泣く私に、「お風呂で落ち着いてきなさい。」と優しくおばあちゃん。年の功には勝てないね。その一言で少し落ち着いた。
お風呂で体を温めて、落ち着いて、ほっと一息リビングで。そして、今日の私の一日を話しましたとさ。家族皆に。
ぶっちゃけ、どーしてそんな「深刻な問題に直面してます」的な感じになっちゃてんの?
「滅多に泣かないお前が泣いたからだろう。」
えー、マジで?心配お掛けしましたー。
でも、私に対する認識って一体どんなよ。お兄ちゃんの言葉に私以外、皆頷いてたんだけど・・・。解せん。
・・・あー、でも今さらだけど、あんだけで泣くなんて恥ずかしいことこの上ない。
「普段はラッキー続きなユキちゃんなのにねぇ。アイス食べちゃってごめんねぇ。」
とお姉ちゃん。
「その分、今日に反動が全部きたんだろうな。朝、起こさんですまなかった。」
とお兄ちゃん。
えぇい、このズレタ姉兄め!ダ・イ・ス・キ・ダ!!---なんて、口には出さないけどさ。
「ホントだよぅ。絶対今日、仏滅だったって!!んもーーーーーーー!!!まだ何か不幸がありそうで怖いよ!!」
なんて言ってたら。
「それなら明日は『大安』ねぇ。明日は良いことずくしよ、ユキちゃん。」
素敵すぎだぜ、グランドマザー☆