劇的!AFTER
無理やりとは言いつつ、なんとか華の説得に成功した猿渡(&寿)は、早速仕事に取り掛かった。
寿家キッチンを借りて、調理をしているところから撮影をするらしい。華は、美術センスは無くても料理センスは抜群らしく手際よく料理が仕上がっていき、キッチンにいい匂いが広がっていく。
「一応、これで完成よ。盛り付けをよろしく。」
料理を引継ぎ、猿渡が盛り付けを行う。色や形、どの方向から見ても美味しさが分かるように。カメラマンのプライドにかけて、また、華料理ファンの意地を見せるべく猿渡は料理を盛り付けを行っていった。
そして、彼の元々の美術センス+カメラマンのプライド+華料理ファンの意地=素敵な料理が完成した。
「――――ほぉう。」
「へぇっ、こりゃすげー。これがホントにさっきと同じ料理かよ!おい、華ちゃん。華ちゃんの料理がめちゃくちゃ美味しそうに見えるぜ!」
完成した2人の反応は対照的であるが、華は言葉に出ないだけでかなり感動しているようだった。猿渡も自信満々だ。
「どうです!盛り付けを工夫するだけで、こんなにちがう。ね。瑞地さん、これなら誰もが作りたくなる料理に見えるでしょう?写真も『綺麗に美味しく』撮りますから。瑞地さんの素晴らしいレシピを世に広めましょう!!!」
華もこれほど自分の料理が変わるとは思ってなかったらしい。瞳がキラキラしていた。・・・それにしても、猿渡といい寿といい明け透けにものを言う男たちだ。華は全く気にしていないようだったが。
猿渡が撮影をしている間に寿と華はレシピなどの打ち合わせを。そして、撮影が終了るすと寿と猿渡が今後の打ち合わせを始めた。
今日の仕事も終了し、『さてこの後何をしようか』と華が手持ち無沙汰に考えていると、先程子守をしていた寿の子供(7歳と3歳の女の子)2人が華に話しかけてきた。
「ねぇねぇハナちゃん。ハナちゃんの作ったごはん食べてもいーい?今日のハナちゃんのごはん、いつもとちがってね、とぉってもおいしそうなの!ね――――――!!!」
子供とは、なんと無邪気で残酷な生き物だろうか・・・・。さすがに猿渡と寿の厳しい意見にも屁ともしなかった華でも、さすがにこれには堪えたのか何も反応することが出来なかった。
このやり取りを聞いていた2人の反応は。
猿渡は堪え笑いで、寿は爆笑。最後まで失礼な男たちだった。