目が覚めたら、右も左も、上も下も真っ白だった。
は!?まだ夢ん中?なにこれ、寝ボケ?失明?いやいや、自分の体きちんと見えるし。
ハローハロー、にゅーわーるど。
『おはよう。夢じゃないよ。それにしても、ずいぶんと寝てたね。疲れてたのかな。』
と誰もいないのに、どこからか声がした。えぇ―――――――!?
「誰だよ。てか、こんな真っ白空間で夢じゃないっつわれて"ハイそーですか"って納得するかよ。」
『フフッ。じゃあ、夢でいいよ。
でも、ここでの事はしっかりと覚えててね。じゃないと後悔いちゃうから、ね。』
なんだよ、"じゃあ夢で"って。夢は夢だろ。変なヤツだな。
にしても、内容のどんな夢だよ。・・・真っ白空間ってむなしいなぁ。
・・・・・・あ、何か見えてきた。テーブルに椅子?誰か座ってるし。
『こんにちは。実体があった方が話やすいと思って。私は"カミ"です。』
「・・・・・・・へぇ。こんにちは?俺は"山田 信太(ヤマダ シンタ)"です。
何?この夢設定は、カミさんとお話をすればいいの?あ、玄米茶ちょうだい。」
あぁ、今更だけど改めて。
俺の名前は"山田 信太(ヤマダ シンタ)"。17歳で高校2年。
性格は、普通?・・・少し、ずうずうしいってよく言われる。容姿も普通。成績は上の中?
トータル的に、そこらにいる人。普通の日本人。どーぞ、よろしく。
ちなみに。目の前にいるカミさんは、ものっすごい綺麗。美人。年齢は、20代半ば位。
髪も瞳も不思議な色だ。加減によって何色にも見える。
・・・・・・でも、綺麗過ぎて男か女か分からんね。声も、判断するには微妙。ま、夢人物だし、どっちでもいいか。
『うん、よろしく信太。さて、これからかなり重大な話をしよう。』
いきなり呼び捨てかい!別にいいけどさ。それより・・・
「なんで重苦しい話?おもしろい話の方がいいよ。」
『え――。それじゃあ、神話の類を話そうか。』
「おっ、いいね。」
俺、結構そーゆーの好きなんだよね。趣味、読書だし。特にファンタジー小説。
・・・普段、友達から"似合わねぇ"とか言われてからかわれるけど、好きなんだからしょーがないだろ。
本を読まないあいつらよりは、断然いい!・・・はず。
『じゃあ、始めるね。』
カミさんは穏やかな声を、一層穏やかにして話を始めた。